当院へ通っている患者さんの中にも「妊娠中は足がつって大変だった」と仰る方が多いんですけど、妊婦ってちょっとしたことで足がつってしまうんですよね。
とはいえ、足がつる原因というのは1つではなくて、色々な要因が重なってしまった結果「突然足がつる」といった症状が起こります。
・足がつる原因と予防法
・妊婦にできるストレッチ
今回の記事では、これらについてお伝えしていきます。
妊婦が足をつる原因
妊娠中になると「40~60%」の人たちが、足をつりやすくなるというデータもあるように(「ペリネイタルケア(メディカ出版)」より)、妊婦にとって足がつることは珍しくありません。
しかも、妊娠初期や中期より「妊娠後期」になってくるほど、足がつるケースは多くなります。
そして、足がつる場所は「ふくらはぎ」がほとんどです。
▼妊婦が足をつる原因
- 足への負担や筋肉疲労
- 足への血流が低下する
- 血液が薄くなる
- カルシウム・ビタミンD不足
- 体の異常や病気
もしも、妊娠前から足がよくつっていて、妊娠中によりひどくなったときは、何らかの異常や病気を疑う必要もあるので、主治医に相談してください。
たとえば、脱水、低カルシウム血症、低マグネシウム血症、不安発作、血行障害、子癇(しかん)などによっても、足がつるからです。
妊婦ができる足のつりを予防する方法
妊娠中に足がつりやすい人には特徴があって、体重が急に増えてしまったりとか、運動量が少ないといった人は注意が必要です。
また、お腹の赤ちゃんが大きいというのも、妊婦の足がつることと関連があるという報告もあるので、頭の片隅に置いておいてください。
▼妊娠中の足つりを予防する方法
- 体重の管理
- 適度な運動
- 食事と水分補給
- マッサージとストレッチ
この他にも「十分な睡眠」をとって疲れを溜めないことも大切です。
体重の管理
妊娠中、とくに妊娠中期から後期にかけては「急激に体重が増える」ので、そのため足の筋肉への負担も一気に増えてしまいます。
とはいえ、この時期は「赤ちゃんも急激に成長する」から、1週間あたり「0.3~0.5kg」の体重増加を目安にするといいです。
このようにして、適切な体重管理をしていくことで足腰への負担を最小限にし、足の筋肉の疲れを防ぎましょう。
適度な運動
足の血流不足を解決するためには「適度に運動する」ことがとても大切で、ウォーキングや足の筋トレなどをして血流を促していきましょう。
・ウォーキング
・かかと上げ
・足指運動
足の指が上手く動かせないときは「足指の運動が上手くできない!?タオルギャザーのコツは「開いて⇒握る」だけ!」も参考にされてください。
そして、ウォーキングをするときは「歩きすぎると疲れが溜まる」ので、注意しながら歩くようにするといいです。
また、妊娠中は歩きやすい靴を履くようにして、ヒールが高い靴などは「転倒予防」のためにも履かないようにしましょう。
食事と水分補給
カルシウムの排泄を促進するような「リン酸」を含む食品は避けたほうがよくて、いわゆる「ハムなどの加工品」や「食品添加物」などに使われています。
逆に、以下のものは不足しないように気をつけましょう。
・ビタミンB1:豚肉、うなぎ、豆乳、大豆、ごま
・ビダミンD:魚肉、レバー、卵、しいたけ、きのこ
・カルシウム:干しエビ、いわし、ひじき、昆布
・マグネシウム:あおさ、玄米、きな粉、わかめ
あとは、水分不足になると筋肉が痙攣しやすくなるので、小まめに水分補給をするようにしてください。
ちなみに、冷たすぎる飲み物は、筋肉が硬くなったり、血液の流れが悪くなる可能性もあるので、体を冷やさないくらいの温度にするといいですよ。
マッサージとストレッチ
筋肉が疲れて硬くなってしまわないように、できるだけ「マッサージ」や「ストレッチ」もしておきましょう。
マッサージをするときは「入浴」しながらなど、できるだけ温めながらやると効果があります。
そして、ストレッチは最低限、以下の2つはやりましょう。
・ふくらはぎストレッチ
・足指のストレッチ
あと、股関節や腰のストレッチなどは「妊婦の腰痛はこう対処しろ!原因を知って腰痛予防をしておこう」も参考にしてみてください。
各部に負担がかかりやすい
足がつりやすくなったり、筋肉が硬くなったりすると、足首の動きも制限されるようになって「つま先」への負担がかかりやすくなります。
さらに、妊娠中は体重が前がかりになりやすい姿勢になりやすく、より「つま先」への負担は増えるので、痛みのトラブルも起こりやすいです。
・巻き爪
・外反母趾
こういったトラブルにも繋がりやすいので、妊娠中も足元のケアはしておきましょう。