先日、知人の奥様(妊娠中)から「なんだか足の裏が痛くなってきた」と相談を受けたんですが、その原因は「足底腱膜炎」になる一歩手前でした。
じつは、妊娠中だとか出産後に「足の裏の痛み」を訴える女性は結構多くて、そのまま放置しておくと、歩いたり立ち上がったりするのが大変になってしまうこともあります。
そこで今回は、この「足の裏の痛み(足底腱膜炎)」を和らげる方法や、予防する方法について、具体的にお伝えしていきます。
足の裏が痛い原因は「足底腱膜炎」
そもそも、この足底腱膜炎とは「足の指を動かす腱」に、繰り返し衝撃が加わって炎症を起こしてしまうもので、ランニングやジャンプ動作などスポーツで起こりやすい症状の1つです。
では、なぜ「妊娠中や産後に足底腱膜炎が起こってしまうのか」というと、それは妊婦独特の姿勢や、産後の生活スタイルに原因があります。
今回はそこにスポットライトを当てつつ、解説していきますね。
妊娠中は重心が前がかりになる
妊娠中期から後期になってくると、赤ちゃんもどんどん大きくなってきて「お母さんのお腹も目立つように」なってきます。
そうなると、立ったり歩いたりする姿勢というのは、赤ちゃんの重みも加わって「前がかり」になっていき、その結果「足の指で踏ん張る」ことが増えてくるんです。
1.妊娠が進んでお腹が出てくる
2.お腹の重みで体重が前がかりに
3.足の指で踏ん張るようになる
4.足の裏にある腱に負担がかかる
このような流れで、足の裏に痛みが出てくるようになります。
産後は抱っこが増えて体重が前がかりに
妊娠中はともかく、産後になってから「足の裏の痛み」を訴える女性も多くいるんですが、この場合も体重が前がかりになってしまうのが原因です。
というのも、出産後は「赤ちゃんを抱っこ」して動く時間が増え、抱っこしながら歩いたり、抱っこしながら立ち上がったりするので、自然と足先への負担もかかります。
しかも、出産後のママというのは、常に「3~4kg」のおもりを抱えてるのと同じですし、しかも赤ちゃんはどんどん大きくなっていくので、抱っこしているときも「無意識」のうちに足の指で踏ん張っていることも多いです。
足の裏の痛みを和らげる方法
それでは、足の裏の痛みを和らげたり、予防したりする方法についてお伝えします。
まずは、以下の方法を試してみましょう。
▼足の裏の痛み対処法
- インソールを使う
- ストレッチをする
- マッサージをする
- 重心を意識する
そして、基本的には「痛みがあるときは安静」ですから、痛みがあるのに無理して動くのはなるべく避けてください。
インソールを使う
外出するときなどは、かかとが低い靴を履くようにして、さらに「インソール(中敷き)」を入れておきましょう(アーチサポート付きが良い)。
そして、なるべく「長時間歩くことは避ける」ようにしてください。
ストレッチをする
足の裏の痛みは、足の指を動かす「足底腱膜」が痛みの原因になっているので、足の指を反らせてストレッチをするといいです。
もしくは、足の指を鷲づかみにして、ぐるぐる回すのもいいでしょう。
また、足底腱膜の一部は「足首を通過」しているので、足の指だけではなく「足首のストレッチ」も併せて行うと効果的です。
マッサージをする
ストレッチだけではなく、足の裏をマッサージすることも大切で、テニスボールとかゴルフボールを「足の裏で転がす」方法だととても楽です。
この方法なら、椅子に座ってもできますし、寝転がったままでもできます。
重心を意識する
長期的な対処方法として「重心の位置」を意識するのも重要で、これができるようになると足の指への負担は激減します。
ポイントとしては、体重を「かかと寄り」にすることなんですが、あまり体重をかけすぎると腰痛になりやすいので、注意してください。
コツとしては「かかとと土踏まずの間」に体重を乗せる感覚にするとよくて、慣れてくると指先で踏ん張らなくてもバランスが保てるようになります。
妊娠中は「外反母趾」や「巻き爪」にも注意
前述したとおり、妊娠中や産後というのは「足の指に負担がかかる」姿勢をとりやすくなるので、足底腱膜炎だけでなく「外反母趾」とか「巻き爪」になりやすいリスクがあります。
ですから、日頃から足の指先はしっかり観察しておきましょう。
・繰り返しの衝撃
・長時間の立ち仕事
・筋力や柔軟性の低下
こういったことは、足への負担を増やして痛みを誘発する原因になります。
こちらの「朝起きたとき「足の裏(踵)」が痛い!足底腱膜炎かもしれません【対処法】」でも詳しく解説しているので、よければ参考にしてください。
もしも、すでに「足の裏」や「足の指」に痛みや違和感があるようなら、早めに対処しておいた方が安心して産前産後を過ごせます。
なお、当治療院では「LINE無料相談」も受け付けていますので、お困りでしたら遠慮なくご相談ください。