以前なんですが、当治療院に来院された患者さまから「爪の白い部分が無いとマズいんですよね!?」と、不安そうな表情で質問されたことがあります。
実は、わたしが子どもだった頃というのは「爪の白い部分が少ないと、体の調子が悪い」なんて言う人も結構多くて、子どもながらに爪の白い部分を気にしていました。
今となっては懐かしい話なんですが、この爪の白い部分(爪半月)と自分の体の調子には何の関係もなくて、そこで今回は「爪半月がなくなる原因」について解説していきます。
「爪半月(そうはんげつ)」とは
爪の根元にある半円のように白くなった部分を、専門用語では「爪半月(そうはんげつ)」と呼ぶんですが、これはいわゆる「爪の赤ちゃん」にあたると思ってください。
この白くなった部分が成長していくことによって爪が伸びるんですが、季節的なものとか、年齢的な要因によっても、爪が伸びていくスピードというのは変わっていきます。
・爪の水分
・新陳代謝
これらの要因は、爪が伸びるスピードに大きく関わっていて、乾燥しやすい冬場ですとか、代謝が落ちる高齢者などは、やはり爪が伸びるスピードは遅くなる傾向にあります。
しかも、爪の水分量が減ると爪が割れやすくなったり、爪の新陳代謝が落ちてくると爪が変形しやすくなったりするので、普段から爪のケアをすることってとても大切です。
それでは、この爪半月の大きさというのは、人によって大きさが違うのでしょうか?
爪半月がないけど、健康状態が悪いの!?
まず、爪の根元にある爪半月の大きさっていうのは、爪の「新陳代謝」が活発か、あるいは活発でないか、これによって大きく変わります。
元々、爪半月というのは生まれたての角質なんですが、まだ角質化が不完全であるため「水分」をたくさん含んでいて、そのために爪の根元が白く見えるんです。
ですから、爪の水分量によって爪半月が白く見えたり、もしくは、爪半月が見えなかったりすることもあります。
「爪半月がないから、病気に違いない!?」
これは、いわゆる迷信のようなもので、爪半月の大きさとか爪半月の有無というのは、いまの健康状態に大きな関係はありません。
先ほども言ったように、爪の「水分量」とか「新陳代謝」によって、爪半月の大きさとか色などが変わってくるからです。
爪半月がない原因
爪半月がなくなってる状態というのは、爪が成長していくスピードが遅いことの裏返しで、つまり「新陳代謝が活発ではない」ということになります。
また、爪半月には水分量も大きく関係しているため、極度に乾燥していたりすると、爪半月が見えなくなることもあります。
また「ビタミン」や「鉄分」が不足していることも原因の1つなので、普段から栄養が偏っている人は、ビタミンや鉄分などの栄養素をしっかり摂れる食事を心がけましょう。
爪半月が大きい理由
逆に、爪半月が大きいという場合、新陳代謝のスピードが早い(代謝が活発)というのが大きな理由です。
つまり、爪半月の水分が抜けて角質化していくよりも、爪が伸びていくスピードの方が早いため、爪半月も白さが残っているまま伸びていくので大きく見えるようになります。
悪いことではないので、とくに気にする必要はないでしょう。
爪半月を復活させるには
ここまで解説してきたように、爪半月の大きさには「爪の水分量」と「爪が伸びるスピード(新陳代謝)」が大きく関係しているので、爪半月がない人はこの2つを改善すれば爪半月を再び作ることができます。
・爪を乾燥させない
・爪の新陳代謝を促す
基本的にはこれらのことを心がけておけばいいんですが、ネイルをしていると爪の保湿に大きな影響があるので、ネイルをしているときは「爪の保湿」をしっかりと心がけるといいですよ。
爪の保湿ケアについては「冬になると足の爪が割れるのはなぜ?乾燥には注意しよう!」でも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
きれいな爪半月を復活させる方法
丈夫な爪を伸ばしていくためにも、キレイな爪半月を復活させることが大切で、この爪半月の作り方には以下のような方法があります。
・ビタミンと鉄分を摂る
・水分補給や保湿などをする
・指先の運動などで血流を改善する
こういったことを積み重ねていくと、新陳代謝が良くなって爪の乾燥も予防できるので、徐々にキレイな爪半月が出来上がってきます。
たとえ夏場であっても、ハンドクリームなどで爪の保湿をするようにしましょう。
日頃から、きれいな爪とか爪半月を意識していると、足の「巻き爪」や「爪水虫」なども予防できるので、手だけではなく「足の爪の手入れ」もやっておいて損はないですよ。